CMなどで、洗顔料は「弱酸性」でないとお肌に悪いかのような間違った情報を耳にします。これは大きな間違いです。 例えば皮脂の分泌の多いニキビ肌の人が、弱酸性の洗顔料を使い続けるとニキビは改善されません。数年前に女子学生の間で、「ニキビには弱酸性がいい」といった間違った知識が蔓延していたのを耳にしたことがありました。これでは、ニキビはよくなりません。弱酸性・弱アルカリ性の洗顔料、それぞれ一長一短があります。季節や肌質に応じて正しい選択をしましょう。また化粧品メーカーの「うたい文句」、というものに惑わされない正しい知識を持って頂きたいと願っています。
長年のカウンセリングの中で、「季節やお肌の状態に合わせて、数種類の洗顔料やクレンジングを使っています」という人には、いまだかつてお目にかかったことがありません。それほど一般的には、お肌の洗浄が非常に大切だ」という意識が低いということです。夏と冬とでは、脂分や汗の分泌量が随分違います。汚れを取りすぎるとお肌は傷みますし、汚れが残ったままでは清潔なお肌は保てないのはもちろん、塗布する化粧水などがまともに浸透しません。ですから、お肌の汚れに応じて的確に洗浄してあげることは、美肌づくりにとって大事なスタートなのです。また、朝と夜の洗顔料を変えてあげる工夫が必要な季節もあります、冬場の朝は、お肌の乾燥が激しい状態ですが、夜はファンデーションなどで1日の汚れが多くなります。状況に応じて朝と夜、それぞれ適切な洗顔料を選んであげるとよいでしょう。年間を通じて洗顔料を的確に選択していくことの大切さは、カウンセリングをしていると嫌というほど思い知らされます。
美しいお肌づくりの第一歩は、正しいクレンジングや洗顔料選びから始まります。まず、理想的なクレンジングとファンデーションの相性から説明しましょう。最近の市販されているファンデーションとクレンジングは、お肌を痛めやすい処方のものが増えました。現代女性が希望する「落ちにくい」「汗に強い」など、便利な要望を満たしたファンデーションは、お肌にとって非常に大きな負担をかけます。それは接着効果が強いからです。そしてこのようなファンデーション類やメイク類をきちんと落とすためのクレンジングは、おのずとお肌にきつくなります。またもう一つの危険性もあります。それはファンデーション類の日焼け止め効果をアップさせるために、お肌に危険な紫外線吸収剤を混入させているメーカーが圧倒的に多いということです。この紫外線吸収剤の添加によって、危険度はさらにアップします。美肌づくりという点で考えると、まずお肌に優しいクレンジングを選び、そのクレンジングで落とせる範囲のファンデーションを使用する方法が賢い選択です。化粧崩れをするくらい汗をかいた時、少々崩れるファンデーションの方がお肌には安全ということです。毎日メイクをする人にとって、クレンジングは1日だけではなく毎日のことですから、長期で考えると非常に大切なことです。毎日のお肌の老化の一歩を大きくしないことが大切です。また、肌質や季節によってクレンジングやファンデーションを変えていくことも、とても大切なことです。
日々のカウンセリングの中で、最近非常に多い質問があります。それは、手の平いっぱいに盛り上がるほどの洗顔料のCMを見た人達からの質問です。すごく泡立つ洗顔料は、お肌にどうなのですか?」、または「先生の処方している洗顔料は、あまり泡立たないけどCMで見る泡立ちがすごいのと比べて何が違うのですか?」そういった質問をよく受けます。まず答えから率直に言うと、泡立ちのいい洗顔料は、お肌にとってはNOです。最近、泡の質や量をうたい文句に、販売促進を狙っている化粧品メーカーが増えてきました。
これは消費者皆さんのお肌にとって、全く喜ばしいことではありません。これから説明することは、皆さんのお肌にとって大事な皮膚生理学の知識ですから、しっかり理解しておいてください。まず結論から言うと、洗顔料は泡立ちにくいほうがお肌に優しいということです。洗顔料の質の高さは、泡の量と全く関係ありません。泡立ちを良くしようとすると、石鹸系成分の添加がどうしても多くなります。石鹸系成分が多くなると、異様に目にしみたり、お肌がピリピリしたり、つまり高刺激になるということです。ですから、泡立ちのすごい洗顔料を販売しているメーカー側からは、「泡で洗ってください」とか、手がお肌に触れないように洗ってください」などの間違った洗顔方法をあたかも正しい理論かの様に説明しています。こういった洗顔料を使っている人達をカウンセリングすると、高い確率で表皮がひどく剥離した状態になっています、またお肌が剥離を起こすと、シワやメラニン色素の増殖にも繋がります。なるべく優しい洗顔料を大切なお肌のために使ってあげてください。
「ゼロベース洗顔」これは、理想の洗顔を追求した洗顔方法です。皆さんも実感していると思いますが、皮膚表面は夏と冬での汚れの量が違います。冬に汚れがしっかり落ちる洗顔料で洗うと、お肌は傷みます。逆に夏にあまり汚れが落ちない洗顔料を使うと、汚れの膜がしっかりと残るため、後に塗布する化粧水の浸透効率は悪くなり、本来の化粧水の力を十分に発揮することができません。お肌の汚れを10段階で現した時、お肌が10汚れる季節は10落ちる洗顔料を、またお肌が3しか汚れない季節は、洗浄力が3の洗顔料を選択すればいいのです。つまり、洗顔後の汚れをゼロにすれば、スキンケアー類を塗布する際に最高のスタートラインに立てるということです。しかし、お肌のカウンセリングを自分自身でしている人が一般的ですから、自分のお肌がどれ位の汚れがあり、市販されている洗顔料がどれ位の洗浄力があるのかを把握することは不可能に近いと思います。当研究所では、カウンセリングと肌ドックで皮膚表面の汚れ具合を判断し、季節と肌質に応じて洗顔料の種類をこまめに変えることができます。例えば普通肌の人なら、1年間に3~4種類の洗顔料でケアーをしてあげることが理想です。美肌作りの大事な第一歩は洗浄です。化粧水などの浸透効率を高めるためにも、効率の良い洗顔を実践しましょう。
1995年からずっと、全国の消費生活センターに寄せられた化粧品に関する被害報告のトップは、化粧水でした。しかし、近年になって、洗顔料の被害報告が増加しています。少量でもすごく泡の立つ洗顔が増えたことが原因と言われています。一見たくさんの泡で洗顔したほうがお肌によさそうな感じを受けてしまいがちですが、泡立ちをよくする処方にすればするほど肌刺激は強くなるのです。例えば安いシャンプーで洗うと、少量で泡がたくさん立ちます。ですが、シャンプー後の髪はかなりきしみます。反対に高級シャンプーで洗うとあまり泡が立ちませんが、髪はきしみません。洗顔でもシャンプー剤でも同じことが言えるのです。当研究所では、お肌の弱い人向けの特殊な洗顔料があります。それは泡が立たないジェル状の洗顔料です。肌刺激にこだわると、目に見える泡はなくなります。最近某通販洗顔料メーカーの「ゆ○か」の洗顔料で、ひどいアレルギー・肌荒れを起こした人達がたくさん出ました。私も被害にあわれた方をカウンセリングしたことがあります。このメーカーの洗顔料は、泡立ちが多すぎてお肌がきしむので、それをごまかす為に本来必要のない成分を入れたのがアレルギーの原因になりました。「売れさえすればいい」という企業のあり方が招いた大参事です。
洗顔時に起こる肌トラブルの中で、最も厄介なのがこの毛細血管拡張症です。この症状は洗顔時に、「強くこする癖のある人で表皮の薄い人」によく起こります。この症状は1度できてしまうと、元には戻る可能性は非常に低くなります。完全に完治させたいのであれば、外科的なレーザー治療を除いては解決方法が無いのが現状です。ですから、洗顔時はなるべくやさしくお肌を扱ってください。また、表情筋を鍛える「コロコロ」もこの症状を引き起こすのでご注意ください。