角質層の中にあるNMFナチュラル・モイスチャー・ファクター)の働きと皮脂膜に守られているため、たくさんの水分を溜め込むことができるのです。また最近では、角の細胞間にある糖脂質にも水分を保持する機能があることがわかってきました。次に、角質層などがある表皮の下には、真皮層があります。この真皮の中には、コラーゲンやヒアルロン酸など、肌のみずみずしさを保つ成分がたくさんあります。特にヒアルロン酸は「まぼろしの保湿剤」ともいわれ、のヒアルロン酸でなんと6リットルもの水分を保持できるといいます。ですが残念ながら年を重ねるに従い、NMF・ヒアルロン酸・コラーゲンなどのさまざまな保湿成分は減少し、水分保持能力が衰えてきます。すなわち自然のなりゆきにまかせれば、必ずお肌の老化は起こるということなのです
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは「老化とは乾燥への推移である」といっていますが、なんとも的確にいったものだと驚きます。生まれたばかりの赤ちゃんは、体のおよそ90%が水分で、60歳位になると約60%にも減ってしまうのです。お肌にとって一番大切なものを、あえて一つだけ選ぶとすれば、みずみずしさをつくる「水分」です。そしてこの水分は、角質層という表皮の一番外側に、全体のも含まれているのです。角質層は外気にさらされるところにありますが、しかし
大変残念ですが一度できた深いシワは、コラーゲン注射など外科的な整形手術をしない限り、化粧品では改善しません。よく化粧品広告などに、あたかもシワがなくなるかのように書かれているものをよく目にします。化粧品によるシワに対する効果を適切に現わすと、「これからできるシワを少しでも予防する」もしくは、「小ジワを目立たなくする」という表現が、皮膚生理学に考えた場合最もふさわしいと思います。「顔のシワは人生の年輪」という言葉もあるくらい、ある程度シワはなければおかしいものです。まれに「笑うとシワが増えるので極力笑わない」という人がいますが、とても悲惨な結果を招きます。まず笑わないことで表情筋の筋力が落ち、たるみの原因となります。また笑わないことで眉間など、シワのできて欲しくない場所に入りやすくなります。必ず大なり小なりシワは入ります。どうせシワが入るなら、「笑いジワ」の方がいいのではないでしょうか。
「徹底的にシワをなくす」という考えではなく、「年齢よりは5歳~10歳程若く見えれば」という考えでいる方が、皮膚生理学的に見ても矛盾が生じません。シワをのばして治すことは不可能でも、予防する事は可能です。老化に関する正しい知識を持って、ポジティブに老化と向き合ってみてはどうでしょうか?