シミと一口で言っても、種類はいろいろあります。肝班、老人性色素斑、色素沈着、女子顔面黒皮症、太田母斑など、原因はそれぞれ異なります。まず自分のお肌の黒ずみの原因が何であるかを知る必要があります。皆さんが一般的にシミと呼ぶものを分かりやすく大きく分類すると3種類あると考えてください。①内因性シミ(特に女性の場合、婦人科系疾患の影響によるシミが多い)、②外因性シミ(紫外線・原料が粗悪な化粧品・摩擦による色素沈着など)、③遺伝性シミ(老人性色素斑・ソバカスなど)。内因性のシミの場合は、お化粧品での完全回復は見込めませんが、外因性のシミの場合は、お化粧品で改善する確率は高いと言えるでしょう。ただ、どんなシミであろうと紫外線を浴びればより濃くなってしまいます。ですから、帽子や日傘などで紫外線をしっかり避けてください。1日中外出する場合などは、日焼け止めクリームをしっかり塗っておくべきでしょう。化粧品では、解決しないタイプのシミの人が、ホワイトニング系化粧品を毎日一生懸命塗り込んだり、次から次へといろいろなホワイトニング商品を渡り歩いたりすることがよくあります。これはとても無駄なことになりますから、まず自分のシミのタイプをしっかり熟知することが先決です。
紫外線にはA波(UVA)とB波(UVB)があり、それぞれの作用は異なっています。UVAは皮膚深くまで到達するので赤く炎症をおこし、コラーゲンを変形させたりして、長い年月を経て、やがてシワやたるみとなって顔に現れ、これを光老化といいます。また、UVBは表皮までしか到達しません。日焼けをしたときに黒くなるのは、UVBによって表皮のメラニン色素が増殖するためなのです。UVA・UVB、どちらにしてもなるべくお肌から避けるように気をつけてください。
右の図を見てもわかるように、紫外線は真夏だけではなく、3月頃から増えて、5月頃には真夏よりも到達量が多いほどです。人間は赤外線を浴びると暑いと感じます。暑いと感じる赤外線を紫外線と勘違いするケースが多いようです。涼しい季節でも紫外線量が多い場合があるので充分に気を付けて下さい。ひどい場合、日光アレルギーを引き起こしてしまう人も少なくありません。光老化(紫外線による老化)のことを考えても、1年中紫外線に気をつけることが大切です。